2012年6月8日金曜日

2012年6月4日 宮島先生の般若心経ひもとき その1

昨年から公益財団法人いのちの森文化財団主催で
高野山真言宗阿闍梨で南山進流声明第一人者の宮島基行先生に
般若心経の真髄をひも解いて頂いております。

非情に深い内容で、今まで聞いた事がないようなおもしろい内容もたくさん学べます。

今回はその前談として、お経にまつわる話を以前水輪通信に掲載して頂きましたので、
その内容をブログにて今日と明日2日間にわたってご紹介させて頂きます。

般若心経前談
       高野山真言宗阿闍梨  宮島基行 
お経とは
 お経にご縁がある、ということは大変稀で、ありがたいことと、昔から言い伝えられてきています。
今、これをお読みになる皆様、あるいはすでにお経にご縁のある方々に、吉祥をお慶びいたします。

 まず、環境が厳しく優しい心も発揮しにくい他の多くの生命の数に比して、
稀少な人間に生まれるということの稀少さや、それを有効に活かすことの有りがたさについては、
以前お話しましたが、人に生まれて更に心を顧みる時間を得て、
お経にご縁があるということは、更に稀な良縁ということができるでしょう。

 また、私達は環境に影響を受けて生きる存在です。油断していると、朱に交われば赤くなるというし、
それなら、何かよいもの事に接すれば、やはりよい影響がある、とわかります。
そして、接するべきよいものがたくさんある中でも、お経に接することができるということについては、
意味を完全には知らずとも、ただお経を持っているだけですら大変大きな功徳があると、
般若経には説かれています。
ですから、お経は昔から、とても大切にされてきました。置いているだけでもお守りになります。

重要な三宝 お経の取り扱い
 お経に書いてある内容は、仏の法(教え)ですから、
法宝といって、礼拝の対象ともなります。
法宝というのは、仏宝、法宝、僧宝という、
お寺の学修者たちが特に重要視して礼拝の対象とする〔三宝〕の一つなのです。
ですから、ご家庭で小さな祭壇を作ろうとして、もし仏像が無くても、
お経本があれば、それも御本尊にできるのです。

お仏像はお経の内容を理解しているお姿です。
つまり、お仏像とお経はイコールになります。
ですから、お仏像もお経本も踏んづけたり、またいだり、上に何かを乗せたり下着に触れたり、
灰やホコリで汚れたりさせず、丁寧に接し取り扱うようにされてきました。

また、現代は紙が流通しすぎて、もし書店で眼をつぶって手を伸ばせば、
何かあまり意味のない、うっかりすると心を汚すような本や雑誌、
印刷物をつかむ割合が高いほどです。

しかし、もとは紙も大変貴重かつ高価なものでした。
例えば一枚壱万円とでも考えてよいほどのもので、書き損じは許されず、
何よりその稀少な紙に書き残すべき最重要のことしか、書くわけにはいきませんでした。

そのように、時代が古ければ古いほど紙が貴重ですから、
その昔に書かれたものは多くが国宝級とでもいうべきものであり、
人類の貴重な遺産になっているわけですが、
その頃からまっ先にお経は書写、写経伝承されてきました

。昔の人は何か紙に書いてある、というだけで大切にしていた中、
お経はその内容的にも大切に取り扱われて、寺院には経蔵とか経堂(駅名にもありますね)といって
、お経をよい状態で保存しかつ礼拝するための建物も建てておりました。
大切に伝承されてきたことは、とてもありがたいです。

ちなみに、お経は面白い物語もあれば、深遠な内容でもあり、
それを見ることが無いならば、何ともったいないことでしょう。
せっかくの貴重な人間の眼でつまらない記事は見ても、お経をあまり見ていないとすれば、
何とうかつなことでしょう。

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