2012年6月12日火曜日

2012年6月12日 宮島先生の般若心経ひもとき その2

先日般若心経のお話の前半を掲載させて頂きました。
遅くなりましたが、後半を掲載させていただきます。

般若心経前談 後半
       高野山真言宗阿闍梨  宮島基行 
教えを受けるにあたって
お経の習得法
1〔受持〕まず、教えを受け、入手します。仏前勤行集など、日常で用いる各種お経を持っているだけで、大きな功徳がある、とは先に示した通りです。
2〔読誦〕お唱えする。間違えないように、正確に読み唱えるようになったら、
3〔誦〕=暗記でお唱えすることを目指します。
4〔解説〕すらすら読誦できるようになったら、この段階で解説をよく学び読経しながら意味も考えられるようにしていきます。
ちなみに、読経こそは在家に最もふさわしい修行法とも言われています。それは、仏法修行の三学〔戒・定・慧〕が同時にすべて揃う作法だからです。まず姿勢と呼吸を整え、座って唱えれば〔戒律〕を修行できます。悪いことが出来ないからです。次に、読経は呼吸法にもなり、〔禅定〕を深める修行になっています。更に意味内容を心に刻み、観察して行く〔智慧〕の修行にもなっているからです。

また、修行の三慧〔聞・思・修〕を深めることができます。唱えた声は耳から聴こえるので聞慧、その内容を禅定の状態で思惟する思慧、勤行で継続修習すれば修慧を深めることが出来ます。
将来内容の妙味がわかってきたら、他へも勧め、解説できることになります。
5〔書写〕写経のことで、どの段階で始めてもよく、様々な功徳がある。
6〔供養〕三具足(香炉・灯明・花)を供え、礼拝しお香を献ずる等。
心の尊さを育てることが目的

お経の功徳
 お経の勉強や読誦できることそのものが、すでに功徳です。私達の心の中には、少しは尊さを発揮する種があり、祭壇で拝み、読経や写経をすると心が落ち着くのは、心中の心の尊さが働きだすからです。これを育てることが目的となります。「夫れ仏法遥かに非ず、心中にして即ち近し。真如外に非ず、身を棄てて何んか求めん。」(弘法大師空海「般若心経秘鍵」)
 具体的には三学や三慧、悟りの智慧や慈悲を深めること以外に、身近なこととして、自分と他の心を清める。自己を振り返る時間となる。集中力や忍耐力がついてくる。読経の声でその場を清める。災いを滅す。先祖供養になる。悪霊など霊現象から守られる。小泉八雲の耳無し芳一は書いて護られ、ちびまる子も唱えていますね。ストレスや疲労を回復し、自然治癒力が向上し病気にもよい等々、副次的な様々な現象が報告されています。ちなみに写経では最近、認知症予防に大変大きな効果があることが、科学的にも証明されました。ニンテンドーDSソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」も監修した東北大の川島教授によると、脳活性に役立ちそうな百六十種ものトレーニングの中で、写経は最高の値を示し、「文字を書く」「声に出して読む」は、前頭前野という思考や意思決定・言語コミニケーション等、人間らしい生活をする上で欠かせない部分を活発にすることが判明しています。

名は体を表す 般若心経
 百科辞典ほどもある大きさの大蔵経全百巻、数ある様々なお経の中から、各宗で最も読経や写経のために伝承されてきたのが般若心経です。短い上に奥義もしっかり込められたお経だからで、中国やチベットでも唱えられ、修行学修されています。
 フルネームで「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」といいます。名は体を表すとも言いますが、主な内容は、大いなる般若の智慧の状態で心蔵の修行をするためのお経ということで、この題にすべての内容が含まれ、意識の清らかな人は、この題名を聞いただけで内容すべてを深く理解し悟りを開く、とも言われています。とはいえ、私達はなかなか滅多にそういうわけにも行きませんので、この題名の内容から、ゆっくり確実に進んで行くことにいたしましょう。合掌

般若心経紐解き ~心の探求~ お申し込みはこちら↓
http://inochinomori.or.jp/?page_id=287